お陰さまで、損保ジャパン東郷青児美術館での「クインテットー五つ星の作家たち」展は、
皆様の熱いご支援の元、約9000人の入館者をお迎えして、
2月16日をもちまして無事に終了致しました。
ありがとうございました。

まだ作品の返却作業が残されております。
また全部終わりましたら改めまして、ご挨拶申し上げます。

本日は、画廊の方にクインテット展展示作品の一部が返却されて来ております。

その中の1点にお客様から、作品タイトルのリクエストを頂きました。
そういえば、今回「クインテット展」に出品したドローイングには具体的なタイトルがついていませんでした。

drawing 2012

DRAWING 2012-地に降り立つ
57×76.5cm
墨インク・アルシュ紙
SOLD OUT

お客様に次のような内容を伝えて頂けるように、メールにて画廊にお伝えしました。

 

ご連絡ありがとうございます。
この「DRAWING 2012」は、2012年1月31日に長野に移転してからすぐに取り組んだ作品です。
その当時のアトリエの画像を添付します。

アトリエ風景でもご覧頂けますように、
写真左下の作業机の上に置かれているのが制作途中の「DRAWING 2012」です。
キャンバス作品の下塗り等を乾かしている間に、
コツコツとつけペンで線を重ねて制作していました。

私の手がけるドローイングは、大作の下絵と言うことはなく、
むしろ紙や墨という材質に魅力を感じて描く作品として独立したものです。

特に、浸けペンで墨を特厚口のアルシュ紙に乗せて行くと、
まるで柔かなクッションに、筆圧をしっかり受け止められながら、
程よい線刻が連なっていくことにとても魅了されます。

私にはそれが、空から山脈の尾根をひとつひとつ辿って、
地形をつくりあげているような行為にも思われます。

その気持ちがずっと続けば、おそらくペンと紙で
ずっとずっと永遠にその制作を続けていくことでしょう。

しかし目の前には大作があり、小作品の制作も控えていると、
そればかりをするわけにも行きません。
そこで年に1回くらいしかドローイングは制作出来ませんし、
この作品もどこかで止めなければなりませんでした。

そこで、雲の上のほんの切れ間から垣間見た、
大地のひとつかみを描いたような作品になりました。

それはちょうどそのころに、雪溶けの合間から覗かせる、
湿った春の大地のようでもあります。

そこで題名は「地に降り立つ」では如何でしょうか?

相模原時代の殻を打ち破り、長野という土地に降り立ち、
ようやく新しい制作がはじまりました。

そのはじまりの作品と言う意味を込めました。

NAGANO STUDIO KAWADA
川田作品は見る人とともに完成となります。
リクエストがあった場合は、以上のような制作にまつわる物語等をお伝えし、
特別なタイトルを後付けすることもございます。

その他のドローイングもKANEKO ART TOKYOに届いております。
これらをご覧になりたい方は、スタッフまたはオーナーにお声をおかけ下さい。
美術館ではケース越しでの展示でしたが、画廊では直接ご覧頂くことが出来ます。

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drawing 2009

DRAWING 2009
57×76.5cm
墨インク・アルシュ紙
¥120,000−

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drawing 2010

DRAWING 2010
57×76.5cm
墨インク・アルシュ紙
¥120,000−

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