早朝温度計アプリを見てみたら、マイナス7度でした。
長野はすっかり白銀の世界です。

白い雪はとても美しいのですが、白と言っても無限の色を宿していて、その柔らかさと輝きを自分のものにするにはどうしたらよいのかと考えながら制作をすることが多くなって来ました。
必ずしも、今の制作にそのまま出るとは限りませんが、何かの瞬間にそういうものが出て来たらと思っています。

さて、ワークショップの共同制作作品の経過報告です。

1.ワークショップ講座終了後、参加者30名の方々が制作されたコラージュ作品を、美術館で画像にスキャンしてもらいました。担当学芸員さんとスタッフの方々に大変お手数をお掛けしました。ありがとうございました。

2.画像は、大容量のデータ転送サービスで送って頂きました。

3.送られて来た画像データを一つ一つ、さらに綿密にトリミングし、画像サイズを全て同一に揃えました。

4.Illustratorというソフトを使って、下図のようにまずは1/10に縮小してレイアウトの構想をたてました。

信濃美術館ws下図s

5.それらを所有の大型アート専用プリンターで和紙にプリントアウトしました。

6.一方60号キャンバスは、白ジェッソを10回以上薄く重ね塗りし、耐水性サンドペーパーでよく磨き、さらに黒いジェッソを2度塗り。

7.このキャンバスに先のプリントした和紙を3枚、グロスメディウムで貼り込みました。

信濃美術館ws作品経過1

8.現在はハッチングを施している最中です。

レイアウトは右下に重い構図にしてあります。
ワークショプの時に語られた思い出のお話を思い起こしながら、リアルなひとつひとつの出来事の境界をハッチングの線描で打ち消しながら、柔らかく繋ぎ合わせ、普遍的なテーマを抽出して行くことが出来ればと思っています。

このワークショップで制作する作品は、これで3点になることになります。
当初からこの制作は、他に類例がないこともあり、私の作品としての評価が未だ定まっていません。
しかし私なりにこれを手がける意味を感じていて、今後の制作の新しい展開に思いを馳せながら頑固に続けています。

話しは少し飛躍しますが、中嶋みゆきさんの『地上の星』という歌があります。
ちょうど2002年に初めてこのシリーズを制作発表した時に、この曲が大ヒットとなっていました。
当時、担当学芸員にその歌詞の内容に重なる思いが感じられると言われましたが、失礼ながら実は、あまりその曲を好きに思えず、ピンと来ていませんでした。
しかし久しぶりに先日ラジオから偶然流れ、よく耳を傾けてみましたら、今頃になって、はじめてその意味することがわかり、涙が溢れて来ました。
誰もが神話の星となって、美術館を楽しめる時代が来ることを願って制作しています。

また、随時ご報告して行きます。