2007年8月3日金曜日 『神奈川新聞』文化欄「かながわの美術展評」に美術評論家、藤島俊会氏の文章で『大谷有花 × 川田祐子 2人展』が紹介されました。記事の左下の会場風景写真に作品の前に立つ私の姿も見えています。
藤島氏には、私が神奈川県民ホール主催の『神奈川県美術展』大賞受賞以来、長年にわたって作品を見て頂いてきました。しかしこれまで、ご自身から私の作品について何かをおっしゃるということがありませんでした。今日はじめて記事をとおして、藤島氏が何を見て来られたかを知り、正直驚きました。作品に対して、このような暖かい眼差しを頂きましたことに、深く感謝しております。ここに抜粋してご紹介させて頂きます。
「ーー、川田の作品は一人の個人の身体を通って現れ出た世界の一端を見ているようである。作者固有のものだが、誰もが共有できる空間であり、アートが持っている不思議な力である。スクラッチとハッチングという正反対の技法を繰り返すことによって産み出される空間は宇宙の広大さを思わせ、そこで作者の存在は消滅している。
スクラッチだけの屏風のような連作、細やかな光りに満ちた「千の風」の空間、参加者の写真を用いて共同で制作した約百五十人の「思い出」の作品。確かにいろいろ思い出す色で、深く懐かしい。」
(藤島俊会著、『神奈川新聞』文化欄「かながわの美術展評」p.6 「時間と歴史の深い考察」より引用。)