下絵というものを必要としない制作をしていますが、
紙という材質の風合いにとても魅力を感じて極々たまにドローイングをすることがあります。
フランス製のアルシュという紙(特厚口:一番厚みのある紙)に墨のインク。
極細のつけペンで、コツコツ時間をかけて線描を細かく重ねて行きます。
紙の柔らかさに、
ペン先がまるで鍬のように働いて、
紙の繊維が掻き起こされて行きます。
新しい土地の開墾のように、
筆圧で線を刻むようにして、
平らな大地にゆるやかな起伏が立ち現れて来ます。
その土地は、次第に黒く潤い、光沢を放ち、
残された空白は、それとの対比でより白い光を放ち始めます。
なるべく何も持たずに、シンプルに制作を続けて行きたい。
芸術は貨幣経済や物質文明とは無関係に、
必要最低限の材料で、表現をする。
そういう心構えがこれから重要になって来ると思われてなりません。
来年1月11日から2月16日に開催予定の『クィンテットー五つ星展』(損保ジャパン東郷青児美術館)に、初公開するドローイングをご紹介します。(*出展はこの中の2点になるかもしれません)。
KANEKO ART TOKYO取扱作品として、現在HPでご紹介頂いております。
お問い合わせ:KANEKO ART TOKYO info@kanekoart.jp
『drawing 2009』, 76.5x57cm,
墨インク・アルシュ紙
¥120,000−
『drawing 2010』, 76.5x57cm,
墨インク・アルシュ紙
¥120,000−
『drawing 2012-地に降り立つ』, 76.5x57cm,
墨インク・アルシュ紙
¥120,000−
SOLD OUT