現状

私は画家として、新たな決意を迫られています。

長野アトリエ

私の活動歴を見て頂くとわかりますように、とても恵まれて順調に歩んでいます。最近では、2010-11年の水戸芸術館のワークショップ、2011年東京国立近代美術館での2度目の所蔵品展「マチエール(画肌)の魅力」での展示、そして3月から開催されている横須賀美術館5周年記念「横須賀・三浦半島の作家たち」での所蔵品展に現在作品を貸出し中です。

また今月に入ってからは個人美術館から、企画展依頼のお手紙も頂きました。どんなに励まされ、生きる支えになっているか知れません。制作をしながら自然に涙が溢れて来る事があります。

このように恵まれている状況でありながら、悔しい事に経済的な問題が、まだまだ全く解決できないのです。生活を維持して行ける分の収入に繋がらないのです。新作をどうしてもまとまった形で皆さんにお見せしようとすると、小出しに販売する事ができません。画廊で企画個展発表をたとえしても、その度に作家にも画廊にも大きな経済負担がのしかかります。画廊は画廊スペースの確保の地代・運営費の負担、作家は発表のための画材費、制作時間の確保による経済負担があり、たとえ作品が売れたとしても、画家の画料は収益の半分、集金までのタイムラグの負担もあるため、お金が手元にやっと届いたころには、かかった費用の借金の一部に充てるのがやっと、生活の支えにはなりません。それでももう万作尽きたと思う度に、これまで奇跡のように美術館等の大作の買上があり、その度に極身近な人たちに少しずつ理解されるようになり、借金の肩代わりや資金の援助をしてもらっていたのが実情です。しかし現状に至っては、美術館自体が今、経営難に直面していて、寄付を募っている状態なのです。
http://arttowermito.or.jp/support/support01e.html
http://www.momat.go.jp/sanjokaiin/index.html

それでも常に画家は、画家であることに自負を持ち、お金にはならない事でも、謝礼以上の内容で発表しなければなりません。作品も活動も、私が死んだ後までずっと何らかの形で語り継がれ、残されて行くからです。時代が悪かったとか、お金がなかったからと言って、妥協したようなものは出来ません。

私は知っています。どんなに時代が悪くても、たとえ戦争の最中にあっても、画家は食べるものを削ってまで絵具を買い、作品を描き続ける事を。第二次世界大戦後の1940年代の傑作の多くは、人間が生命を賭けて残し、生きることの尊さを表明しているものばかりです。時代が変わってもそれらは色褪せる事がありません。

翻って、今私たちは、実は戦争とは形が異なるものの、同じような未曾有の経済危機の状況下にあります。

芸術活動の支援の意義

それでも私は、作品とともに画家としての生き様を見せる事で、後進の画家志望の人たちのみならず、何らかの形で美術や芸術に従事しようとする人たちに、芸術の尊さや希望を示さなければならない、そう決意をしました。それがこの状況に対する私という一人の芸術家としての表現、意志の表明とすることにしました。

この資本主義の社会に合わせて、芸術作品を商品として売っても、その価値に見合ったお金を稼ぐことが充分に出来ていません。たとえ国を代表する美術館で収蔵されたとしてもです。そして芸術にはパラドックスがあり、画家が作品でお金を稼ぎ、作品がブランド化した瞬間に、芸術というオーラが失われるという矛盾もあります。

従って純粋な芸術活動には、どうしても何らかのサポートが必要なのです。

この国際的な経済的苦難の時代にあっても、私が真摯に芸術制作を行い続けることで、それでも芸術が人間にとって、なくてはならない価値あるものであることを証明したいと思います。芸術作品のオークション等での価格高騰のような商業的成功が人々を感動させるのではなく、画家として一途に生きる姿、八面玲瓏の存在こそが芸術を生み、感動を与えるということを。

それには、私一人の力では不可能です。またそれでは重要な意味を示せません。八面玲瓏の珠には、社会そのものが映り込むものだからです。

その映り込むものとは、「このような時代であっても、画家川田祐子の活動には、それを支える芸術に理解ある気高い人々、文化的基盤を持つ社会、新しい芸術支援のあり方があった」という事実であり、それが後世に語り継がれる程のインパクトで示されることが重要です。

もちろん、これまでにも励ましの言葉や、多くのチャンス、作品を買って頂く事で、充分支援をして頂いて参りました。それらに感謝するとともに、だからこそその恩に報いるためにも、今ここで頑張らなくてはなりません。今まではなるべく、このような個人的な経済的な事情を表には出さないようにしていました。いつでもぐっとこらえて、経済的負担は、私なりの芸術への「奉仕」と考えることにしていました。しかし、それでは、1個人だけの芸術への貢献になりかねません。画家の活動が、理解者の経済的支援のもとに成り立っていることを、隠す事なく明確にすることで、芸術制作が社会活動となるのです。従って、一度皆様に正直に経済的事情をお話しすることで、画家川田祐子の真意を問い、多くの賛同者・支援のもとに芸術活動が成り立ち得ることを示したいと存じます。

寄付のお願い

これまで身近な励ましの声や、ごく一部の人たちの物品等のご支援は頂いていましたが、今回初めてこの場をお借りしまして、具体的な経済支援としての寄付金を公の場で募ることに致しました。

私がこの2年後の発表に向けて、新作制作に邁進するためには、月8万のアトリエ維持費・生活費、そしてこれまでの4年間の負債の返済168万(月7万)とを合わせて、どうしても月々約15万、その他に画材等制作活動費20万を含めて合計約380万円を必要としています。

この2年間をご支援して頂く事で、私は多くの人に感動を与えることのできる作品を出来る限り多く制作し、美術館での企画グループ展及び個展の開催を必ず実現する事をお約束致します。そして、制作に支障のない程度のアルバイトをしながら、10月に予定される公募展への応募等、持てる能力を全て発揮して、出来得る限りの収入の可能性に挑戦致します。また、このご支援が、2年後以降の活躍への投資にも繋がるように努めます。そして、これが非営利の募金活動であることを誓ってお約束し、上記金額が達成した時点で寄付活動を終了致します。

しかし、万が一寄付が思うように集まらず、生活基盤の維持と制作時間の確保が出来なくなった時点で、皆様の期待や希望には値しない画家であると判断して、潔く依頼されている二つの企画展を辞退し、一線を退くことと致します。

どうか、私のこの画家としての活動に、ご理解、応援、賛同、ご支援を賜りたく、何卒ご寄付の程よろしくお願い申し上げます。

寄付額
応援 一口1000円から
賛同 一口10000円から

寄付の状況は、ブログにて、必ずその都度経過報告致します。

寄付の方法

▶銀行口座振込

ゆうちょ銀行
振込口座
なまえ:カワダ ユウコ
記号:10280
番号:74164671
備考:郵便局のATM、ゆうちょ銀行口座同士送金は平日既定時間内に限り無料

三菱東京UFJ銀行
相模原支店
店番:259
名前:カワダ ユウコ
番号:0058578
備考:三菱東京UFJ銀行口座同士の振込手数料は平日既定時間内に限り無料

住所明記で寄付をして下さった方には、アトリエSTUDIO KAWADAから、ささやかなお礼と、企画展覧会開催の際には必ずお知らせをお送り致します。どうか、重ねてよろしくお願い致します。

画家川田祐子 長野アトリエSTUDIO KAWADAより


記事をアップして早々に、オーストラリアからご寄付と画集の注文を頂きました(涙)。
本当に心を強くしました。心からお礼申し上げます!