と、昨日意気込んだ文章をブログ上で公開しましたが、
実のところ寄付に対する反応が、遅々としております。

それでも早々と募金下さった方、親身にお気遣いや励ましのメールを送って下さる方、
本当に心から感謝している次第です。ありがとうございます。

寄付をして下さった方や画集を購入して下さった方には、ささやかなお礼と
距離的に可能な場合は横須賀美術館のチケットを同封しています。

そのような最中、横須賀美術館の展示を見に行って下さった方からメールが届きました。

川田祐子 様

画集受け取りました。

硯海
3日に横須賀美術館に行ってきました。
連休とはいえ雨の午後でしたのですれちがった来館者は3人ほど、ゆっくりと見ること
ができました。
作品すれすれまで目を近づけたりして。

野比に8年ほど住んでいました。
野比の海の薄墨色の海砂は水に濡れて濃く、書道を嗜んでいた母の硯にも似て。
画面に表出される高次の自然をもっと見てみたいと思いました。

お体を大切になさってくださいませ。

・・・・・◯◯◯◯

お会いしたことのない方からのメール、素敵な言葉使いからそのお姿が偲ばれます。

私は、その野比の隣の長沢という所に20年程住んでおりました。
海岸沿いを野比まで歩くこともありました。
穏やかで、のんびりした場所です。
でも、泳いで遊ぶということはありませんでした。

地元の人は、海の怖さを良く知っているものです。
私も幼い頃、北海道の伯父に肩車されて、下浦海岸の大波の海に入る試練を受けました。
可愛い姪が危険な目に合わないように、わざとその怖さを体感させたのです。
伯父の頭にしがみついて波を被り、引き波の威力の怖さも、
頭の先から爪の先まで体全体で実感しました。
二度と海に近づかないようにしようと思ったものでした。

自然というのは、人間の都合に合わせて働くものではありません。
もっと大きな自然の摂理があり、人間はその極一部分。

私が内なる自然に耳を傾けながら制作する時も、そのようなことを感じることがあります。
美しく、心地よく、楽しいことばかりではありません。
嫌なことも、辛いことも、悲しみも、全て高次の自然のなすがままです。
それを全て受け入れて作品にします。

それを乗り越え、その先に、自然のありがたさや恩寵がもたらされる...、
そう信じて。

横須賀美術館展示のご案内……………………………………………………………………………..

展示作品 『sea and ink stone 硯海』
     2006年作 スクラッチ キャンバス アクリルガッシュ 227x91cm4枚

Photo by : Hideto NAGATSUKA
Place:Kaneko Art Tokyo

4枚綴りのこの展示形式は、2001年までのインスタレーション展示スタイルから脱し、
単体のキャンバス作品へと移行する過程で生まれたもので、
両方の展示機能を備えている意味で、私の制作の軌跡を伝える重要な作品です。
スクラッチ技法のみで制作したキャンバス作品の集大成と言えます。

横須賀美術館の展示では、天井が高く外光が射し込んで来るあたりにうまく展示されていて、
とても良いコンディションで観ることができるそうです。
長椅子も置かれているそうですから、是非ゆっくり見て頂けたらと思います。

*まだ若干、招待券が残っています。ご希望の方はご連絡下さい。
ご希望の方は、上のcommentsをクリックして、メッセージ欄にお名前、ご住所、メールアドレス、希望枚数(原則、お1人様2枚まで)をご記入の上、送信下さい(コメントはこちらで操作しなければ公開されないようになっておりますが、もしご心配な方は「管理者だけ閲覧を許可する」にチェックを入れて送信下さい)信州アトリエ STUDIO KAWADAから、送料無料でご招待券と案内状をお送り致します。

横須賀美術館所蔵品展「横須賀・三浦半島の作家たち」

会期 4月7日(土)~6月3日(日) 
開館時間 10時~18時(但し、4月28日~5月6日 10時から20時)
休館日 5月7日(月)

展示会場 横須賀美術館 地下常設展示室

入館料 こちらをご覧下さい。

お問い合わせ TEL: 046-845-1211(代表)
ホームページ http://www.yokosuka-moa.jp/

同時開催 『開館5周年 国吉康雄 展』4月28日(土)~7月8日(日)