今年1月から3ヶ月の間に制作したドローイング作品をまとめてご紹介致します。

10枚連作「天翔る(あまがける)」

空を昔の日本人はどのように見上げたのか知りたくなって、
制作の合間に、古事記や万葉集を読むことがあります。
「天翔る」とは、古くは「神や人などの霊魂が空を飛び走る」ことを意味するそうです。
毎日のように見上げていると、確かにそのように見えてしまう雲を発見することがあります。
空をありきたりなものとして見ることに慣らされてしまっている感覚を反省し、
摩訶不思議を見る目で、何も飾らない素朴な姿勢で臨んだ素描制作となりました。

天翔る-1
天翔る−1
材質:鉛筆・墨インク・紙
紙サイズ:27×39.3cm

 

天翔る-2

天翔る−2
材質:鉛筆・墨インク・紙
紙サイズ:27×39.3cm

 

天翔る-3

天翔る−3
材質:鉛筆・墨インク・紙
紙サイズ:27×39.3cm

 

天翔る-4

天翔る−4
材質:鉛筆・墨インク・紙
紙サイズ:27×39.3cm

 

天翔る-5

 

天翔る−5
材質:鉛筆・墨インク・紙
紙サイズ:27×39.3cm

 

天翔る-6

天翔る−6
材質:鉛筆・墨インク・紙
紙サイズ:27×39.3cm

 

天翔る-7

天翔る−7
材質:鉛筆・墨インク・紙
紙サイズ:27×39.3cm

天翔る-8

天翔る−8
材質:鉛筆・墨インク・紙
紙サイズ:27×39.3cm

 

天翔る-9

天翔る−9
材質:鉛筆・紙
紙サイズ:27×39.3cm

 

天翔る-10

 

天翔る−10
材質:鉛筆・墨インク・紙
紙サイズ:27×39.3cm

 

この「天翔る」の制作で、
ホワイトラインをどうしても入れたくなりました。
白雲の形を描かずに、紙の色に頼ると、
無限に遠くに広がる空ばかりを描くことになります。
魅力的な雲のフォルムに手を出せないのは、
とても歯がゆい思いがします。
そこで、さまざまななホワイトの描画材を、
できる限り取り寄せて自分の手で確かめてみました。
そして結局、細い線が出せる描画材は、
いつものアクリルガッシュのジンクホワイトであることを再確認しました。

コンテ、ソフトパステル、水彩色鉛筆、ワックスクレヨン、ホワイトインクなどなど、
使いこなすには、もう少し時間をかけなければならないようです。
それらを混在させるようなドローイングにも今後挑戦して行きたいと思います。

5枚連作「飛象」

それにしても、いつも使い慣れている白い線描に戻って来ると、
自在に線が走り、心も弾みます。
まるで失った翼を取り戻したかのような気持ちがしました。
描く雲すら鳥のように思えて来ます。
でもそれは単なる気のせいだけではなさそうです。

空に浮かんだり、自在に飛翔することは、雲にしても鳥にしても、
その形姿は決して偶然ではなく、必然なのだと実感するからです。
より軽やかに、自在な飛翔を描きたい。
鳥や雲だけでなく、人の一生にも「飛躍」ということが起きるように。
「飛象(ひしょう)」というタイトルにはそういう気持ちを込めています。

飛象-1
飛象-1
材質:鉛筆・アクリルガッシュ・紙
紙サイズ:27.5×37.5cm

 

飛象-2

飛象-2
材質:鉛筆・アクリルガッシュ・紙
紙サイズ:27.5×37.5cm

 

飛象-3

飛象-3
材質:鉛筆・アクリルガッシュ・パステル・紙
紙サイズ:27.5×37.5cm

 

飛象-4

 

飛象-4
材質:鉛筆・アクリルガッシュ・紙
紙サイズ:27.5×37.5cm

 

飛象

 

飛象
材質:鉛筆・アクリルガッシュ・紙
紙サイズ:27.5x55cm

 

これらの「飛象」の連作は、キャンソンミタントのグレーの紙に描いています。
ホワイトラインとの関係で、赤味を帯びた温かみのある色が浮かび上がって来ます。
「飛象-3」のみブルーのパステルを薄く乗せました。
好みもあるかと思いますが、
私としては素描はなるべく簡素さを心がけて行きたいと思います。

この四半期に制作したキャンバス作品については、
明日ご紹介する予定です。

追伸:ドローイングのホワイトの描画材及び、大判のキャンソンミタントを購入するにあたり、
ご支援者1名様の送って下さった2万円を使わせて頂きました。
大変助かりました。ありがとうございました!